この世界が変わってしまうとき、人はどうなるのか。
誰かがいつもそのままでいてくれるだけで安心すると思います。
今の時代に大切なことを教えてくれます。
はじめに ~この記事のキーワード~
【アニメ】【映画】【戦争】【時代】【異変】【普通】【安心】
作品の紹介 ~ストーリー~
一人の女性が生きていく様子が戦争による異変で変わっていくストーリーです。
戦争を背景にした多くの作品では時代が悪い方向に変わっていく説明や描写を展開して、登場人物たちがどのように考えて、行動するか、どのように感じるのかを中心に描かれることが多いです。
「この世界の片隅に」では時代が勝手に変わっていってしまいます。
すずさんの世界 ~ふつうであること~
すずさんの世界は目まぐるしく異変しますが、すずさん自身が変わってしまわないことで見ている人は救われます。
大変な時代にじっと堪えて変わらず、日常の当たり前の努力を惜しまないことは、一方からは世界の変化に取り残されているように見えます。すずさんは世界の片隅に置いてきぼりにされているように見えますが、振り返ってみれば彼女はまっすぐに歩くように生きたのだと思います。絶え間なく動いていた周囲のほうが夢の光景のように思われます。
すずさんの姿から「ふつう」であることがいかに難しく、貴重であるのか、
その姿がどれほど人を安心させるのか、じわりと効くように理解できます。
アニメーションという表現 ~人物と背景の関係~
この作品はアニメーションの仕組みと共通するところがあります。
背景と人物は当たり前ですがアニメーションなど映像作品を描くときの重要な要素です。
見ている人に意識してもらいたい要素は動かして、必要のない要素はあまり変化させないのが基本です。
戦争の影響によって描きたい背景と人物がどんどん変わってしまう場合、意識のピントを合わせてもらうように両者のバランスを取るのは非常に難しいはずです。
人物が動くとき背景は動かすのでしょうか、背景が動いているときに人物は動かなくて良いのでしょうか。どのシーンも丁寧に考えられているので、映像から伝わるものがとても大きいです。
おわりに ~こんな時代だからこそ~
コロナウイルスは私にとって最大の異変です。
恐ろしい速さと規模で世界中の人の「ふつう」を変えました。
日常が変わったとしても、いつまでも「ふつう」が続くことを願います。
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